木は場所を移動することなく育つ生き物なので、植え付ける際の土壌づくりは丁寧にしてあげたいところです。
私は植木を眺めたり剪定することが好きなのですが、植木を植えるという行為も同じくらい好きで、これまで自宅の庭や、運営している施設の敷地に数々の木を植えてきました。
今回は、私がこれまで調べたり経験したことをもとに、植木を植える際の植え穴のサイズや用土、手順などをまとめたいと思います。
落葉樹のポット苗を植える場合は、こちらの記事で時期による注意点をまとめています。
植木を植えることに慣れない方の参考になれば幸いです。
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2週間前までにやっておきたい準備
植え穴を掘る
植える場所が決まっているのであれば、できるだけ早く植え穴の準備をしておくことをおすすめします。
理由は大きく分けて2つです。
土の状態を確認するため
1つは、植える予定の場所の土壌が植樹に向いているかを確認するためです。
土質が極端な粘土質であったり砂質であったりすれば、しっかりと土壌改良をする必要があります。
また、植木の根が伸びていくであろう地中に、大きな石や木の根などの障害物が埋まっている場合は取り除いておいたほうがいいです。
こうした土壌の状態を前もって確認せずに植え付け当日に行おうとすると、予定通りに植え付けが進まず、苗を待機させてしまうことになります。
土づくりをするため
2つ目の理由は、土づくりは前もってしておくほうが、木に優しく、植え付け後の手間が省けるからです。
新たに腐葉土や堆肥、赤玉土などの用土を混ぜて土壌改良する場合は、できるだけ早めに済ませておくことで、土が馴染んで微生物の働きが活発になり、肥料障害などのリスクも少なくなります。
また、植え穴に土を埋め戻して時間をおくことで、土の中の余分な空気が抜けて土が落ち着き、植樹後の土や植木の沈下が防げます。
土がフカフカなのは好ましい状態ではありますが、空気が入りすぎてフワフワしていると、木が定着しづらいですし、植樹後に土が沈下して根が露出するということにもなりやすいのです。
以上の理由から、できれば2週間、少なくとも1週間前には植え穴を掘って土づくりを済ませておくことをおすすめします。
植え穴のサイズ

植え穴の大きさについては、色々な本やネット記事の意見を平均すると幅50cm×深さ50cmくらいだと思います。
ただし、それらの本やネット記事が植え付けの際に掘る穴のことなのか、今まさに私が書いているように、前もって土壌を準備するための穴のことなのかは判別できません。
しかし、植え付けのためだけに掘るサイズとしては大きすぎるように思いますので、おそらく土壌改良を念頭に置いてのサイズなのではないかと思っています。
そうだとしたら、私は一律に幅50cm×深さ50cmというのは、少し不十分なのではないかと思います。
新たに植木を植える前から他の植物を育てていたりして、土壌が悪くないことを把握している場所であれば特に懸念することはないのでしょうが、土質がカッチカチに固かったり、極端な粘土質、あるいは砂質であったり、大きな石をゴロゴロと掘り当ててしまうような場所なら、大きく掘って広く土壌改良しておくに越したことはありません。
とはいえ、人為的に植栽する植木の根は、成長しても深さ50cmより下に伸びていく部分はそれほど多くありませんので、深さに関しては、せいぜい60cmくらいで不足はないと思います。
幅に関しては、樹種が高木であるほど、広く根を張りやすいので、掘っておいて損はないと思います。
私は植え穴を掘りながら決めます。
掘っていきながら、土が固くなく、特に粘土質・砂質に偏ってもおらず、大きな石も気になるほどには出てこないというときは、植える予定の木が中高木程度であれば50cm×50cmほどにしますが、反対に、土壌環境が気になる場合は主に幅を広げます。
これまで1本だけのための穴として、私が掘った最大のサイズは、土がガチガチの粘土質で大きな石や竹の根がたくさん出てくるところに高木を植えたときで、幅85cm×深さ60cmほどの穴を掘りました。
植え穴を大きく掘る意味についてはこちらの記事でまとめています。
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土づくり
植木は花や野菜に比べると土壌の重要性が説かれないような印象を受けるのですが、花壇に植える花や野菜に比べてはるかに長い時間、同じ場所で生きていくことになるので、できれば丁寧に環境を整えたいです。
植木を育てる土は、花や野菜のように肥料分が短期間で強く働く土ではなく、長く通気性や排水性、保水性、保肥性が持続することが重要です。
また、花壇や家庭菜園に求められる軽くてフワフワな土というよりは、ある程度の質量があった方が良いと思います。
花や野菜に比べると、木は重量や風に煽られる面積がはるかに大きいです。
そのため、木が安定して立ち続けるために、植え穴の根がはっていく下の方は、フカフカでありながらも、木の根をしっかりつかまえることのできるような土が良いと思います。
植木には、赤玉土5~7:腐葉土5~3といった配合の土が推奨されていることが多いです。
ただし、新たにこうした用土を購入すると、それなりの出費になりますし、運ぶためのコストもかかります。また、掘って使わない土の処理についても考えなければなりません。植える本数が多く、植え穴が大きいほどです。

苗より用土にかける金額が大きくなることもしばしばです。
そのため、できるだけ植穴から出た土を使いたいところです。植え穴の土が砂っぽい土でなければ、大きな石や植物の根などをできるだけ取り除いて利用しても良いと思います。
粘土質な土であっても、細かく潰して腐葉土などとしっかり混ぜれば問題ありません。新たに赤玉土を購入したとしても時間が経って潰れると粘土質な土になります。
赤玉土の方が好ましい理由は、焼いて乾燥させてあるため、菌や虫の卵、植物の種などの不純物が含まれてないという点です。あとは、掘り出した土の石や根を取り除く手間が省けるという程度です。
必ずしも赤玉土を使用する必要はありませんが、腐葉土や牛ふん堆肥などを使ってフカフカにすることは重要です。
私も掘りあげた土や赤玉土、黒土に腐葉土や牛ふん堆肥などを混ぜています。
用土を混ぜた土を埋め戻すときは、地表の水平ラインより少し高く盛り上がるくらいの量を入れてください。日にちが経つにつれて空気が抜けて土が沈んでいきます。場合によっては追加する必要があるくらい沈みます。
用土についてはこちらの記事でまとめています。
植え付け当日
植える
植え穴の準備が済んでいるのであれば、植え付け時に行うことは少しです。
苗が入る程度の穴を掘り、苗を入れて土を被せます。
植える深さは、苗の根本がちょうど土に隠れるくらいです。
深く植えるほうが木が安定するので深く植えたくなる方もいるかもしれません。苗や土壌によっては深植えでも問題ないそうですが、基本的には浅めに植えるほうが、幹や根にとって通気性や排水性が確保できるので、浅めが望ましいようです。
一方、浅すぎると根が露出してしまったり、木が安定せずに倒木のリスクになったりするので、ちょうど根が隠れるあたりが無難だと思います。
あとは、苗を色々な方向から見て、好みの面を見やすい向きで植えてください。
植え穴に苗を入れた後は、根巻き苗であれば足で、ポット苗のような小さい苗であれば手で軽く押さえて土と苗を密着させます。
さらに乾燥防止と水はけを確保するために、少し盛り上がるくらいに土を被せてください。
日にちが経過するにつれて土が沈下することも考えられます。その場合も土を被せてあげてください。
植えた後
ヒョロヒョロと細長い苗や、葉が茂っていて風で煽られそうな木であれば支柱で添え木をすると安心です。
根巻き苗であれば、麻布で根と土が巻かれていて重みがあるので、あまり心配する必要はないと思いますが、ポットで購入するほどの小さい苗は根が細かいので気をつけたいです。
添え木をするときは、麻紐などを支柱側に強く結び留め、木の幹は締め付けないように輪っかにすることがポイントです。
木肌を締め付けて傷めないように気をつけましょう。

また、土壌には腐葉土や堆肥を使用しているため、コバエが増える可能性があります。
コバエが気になる方は、粒度が細かく揃っているタイプの山砂(細かく揃っていると締まりにくいから)や、芝用の目土などを被せると、植木の生育を阻害することなく、多少はコバエの発生を抑えることができると思います。
ただし、山砂や目土を被せるのは、植え付けの際に被せた土がしっかり落ち着いてからが良いですので、しばらく日にちを置き、土の沈下具合などの様子を見てからにしましょう。
この記事で紹介する植え付け方法は以上です。
イロハモミジなどのカエデ科の木を植える予定の方はカミキリムシの食害についても知っておいてください。
インターネットでの植木の購入を検討している方はこちらの記事をご覧ください。







