DIYで作るベンチやウッドデッキ、フェンスなどの工作物に木材を使用する場合は、自分で塗料を選ぶことになります。
屋内で使用する椅子やテーブルなどであれば必ずしも必要はありませんが、屋外で使用する場合は、腐食防止の意味でも防腐剤入り塗料の塗装が重要です。
塗料には油性と水性があり、DIYに慣れない頃は、油性と水性をどのように使い分けるべきなのか判断に迷うことも少なくないと思います。
この記事では、私見も含めて、油性塗料と水性塗料の違いや使用する際のポイントなどを書いていきたいと思います。
成分の違い
油性と水性の性質の違いは、塗料の主成分である合成樹脂を何で希釈してあるのかが大きな素因です。油性塗料は合成樹脂や顔料を有機溶剤(シンナー)で希釈してあり、水性塗料は水で希釈してあります。
基本的な成分ではそれ以外に大きな違いはないのですが、この違いが、仕上がりや塗装作業の勝手の違いの要因になっているのです。
仕上がりや作業上の違いを抜きにして、物質の性質として有機溶剤と水の違いが直接的に表れるのは、引火性と人体・環境への負荷です。
水は燃えませんが有機溶剤は燃えやすいので、油性塗料は保管する上での配慮が必要です。
また、開発が進み、人体や環境へ低負荷なものが使用されてきてはいますが、有機溶剤は基本的に人体・環境に負荷がかかります。その点でも、水性塗料はあまり気にすることがありません。
作業性の違い
油性塗料は有機溶剤を使用しているため、薄める場合はペイント薄め液として販売されているシンナーなどを使いますが、水性塗料は水で薄めることができます。
塗装用具を洗う際も同じで、油性塗料はペイント薄め液を使用して洗いますが、水性は水洗いでそれなりに洗い落とすことができます。
ここは水性塗料が経済的で手間が少ないと言えるでしょう。
あと、作業中の臭いも、油性の場合は有機溶剤の臭いがしますが、水性の場合は気になる臭いはほとんどありません。
ここも水性塗料の長所です。
次は油性塗料の優れている点です。
油性塗料に使われる有機溶剤は揮発性があるため、水を使用している水性塗料に比べて乾燥が早いです。気温や天候にもそれほど影響を受けません。水性塗料は気温が低い時期には乾燥に時間がかかります。
乾燥時間という面では、油性塗料に軍配が上がります。
他に作業中に気をつける点として、塗料を使用する前の攪拌を水性塗料は油性塗料よりもしっかりとしないと色ムラができやすいという性質があります。
油性塗料は塗料成分が有機溶剤で溶けているような状態なので、撹拌してしばらく置いていてもそれほど分離しないのですが、水性塗料は塗装成分と水が分離しやすいため、ハケやローラーを塗料に浸すたびに混ぜるようにするのが色ムラを少なくするコツです。
塗料の撹拌具合で濃淡が出やすいので、色ムラを防ぎたいのであれば、同じ面を塗る際には、できるだけ間をあけずに連続して塗ることも重要です。
こうしたことからも、塗装後の仕上がりの良さを重視する方にとっては、油性塗料の方が作業性は良いかもしれません。
一方で、仕上がりよりも環境的・経済的なコストを軽くすることを優先したい場合は水性塗料が好ましいとも言えるでしょう。
仕上がりの違い
見た目の違いとしては、一般的に木目が美しく見えるのは油性と言われることが多い印象です。確かに私も油性の方が木目がはっきりと見えるように感じます。
しかし、水性は艶が少ないため、油性より自然な風合いは感じます。ナチュラルな木肌の雰囲気を大事にしたい方は水性がおすすめです。
触り心地については、当たり前ですが、油性はベタつきがあり、水性は比較的サラサラしています。木肌の感触も水性の方が損なわれにくいと言えるでしょう。
肝心な耐久性については一般的には油性の方が強いと言われています。
油性は木材に浸透し、水性は木材の表面に膜を作るような仕組みなのだそうです。
試しに、油性塗料を塗った杉板と水性塗料を塗った杉板を切断して見比べてみました。下がその写真です。
まずは油性

次は水性です。ちなみに断面の写真で杉板の内部が茶色く見えるのは塗料ではなく、杉板自体の色です。

ぱっと見ただけでは分かりませんが、良く見てみると確かに油性の方が、若干、浸透しているように見えます。ちなみにどちらも二度塗りをしています。
あとは、個人的に油性が便利だと感じる点は、工作物を組み立てた後に塗ると、ビス(ネジ)にも色がのりやすいというところです。木材の工作物は木材の色とビスの色が違うためビスの存在が目立つのですが、油性塗料を組み立て後に塗れば、ビスの鉄の色が目立たなくなります。水性塗料の場合だとビスに色がのりづらいです。
コストの違い
塗料自体の金額は油性塗料の方が高い場合が多く、水性塗料の方がコストは抑えられます。
また、油性塗料は作業上、ペイント薄め液なども購入する必要が出てきますが、水性塗料は水で済む場合が多いので、その点でも水性塗料の方が安く済みます。
ただ、耐久性は油性塗料の方が強いことが多いので、長期的に塗り直しのことを考えると、コストの大小は場合によると思います。
まとめ
結局、どちらを使用すべきかということなんですが、塗装する工作物や、その使用環境に合わせて選ぶと良いと思います。
例えば、屋外で使うベンチやフェンス、または、構造材として耐久性が必要で塗り直しも難しい屋根の垂木やウッドデッキの根太材などには油性塗料。
屋外でも人が触れたり近くを通るウッドデッキの床材やフェンス、壁などには水性塗料。
屋内であればとりあえず水性塗料、など。
塗装はDIYとして行う作業の中では難しい作業ではありませんが、見た目や使用性に大きく影響する要素です。後悔のないように塗料の性質を良く理解して選択することをおすすめします。
今回は以上です。DIYの参考にしていただければ幸いです。
こちらの記事では、木材の樹種の選び方についてまとめています。
ビス(ネジ)の選び方についてはこちらの記事をご覧ください。




